伊勢神宮の遥拝所と 伊勢系の神社の違い
江戸の昔、伊勢神宮への参拝は庶民のあこがれでした。
しかし、今のように交通機関も発達していない時代の神宮への参拝は大変なこと。
そのため、日本各地に遥かはなれた伊勢神宮を拝するための遥拝所が作られました。
遥拝所?伊勢系の神社?伊勢信仰の神社?
何が違うの?
東京大神宮
特に東京大神宮は恋愛や縁結びのご利益が有名。
週末にもなると、今でも若い女性を中心に多くの参拝者が訪れています。
アクセス:JR飯田橋駅から徒歩
芝大神宮
芝大神宮は、出世や開運のご利益があるとしてスーツ姿のサラリーマンが参拝に訪れることが多いようです。
アクセス:都営大江戸線の大門駅から徒歩
実は、この2つの神社よりも全国的に有名で初詣の参拝者も毎年トップクラスの「明治神宮」「熱田神宮」
商売繁盛のご利益で知られる「神田明神」が「伊勢系の神社」
余談ですが、神田明神の場合、商売繁盛の神社のイメージよりも国民的アイドルグループの「AKB48」やアニメ「ラブライブ」の聖地というイメージの方が若い人には広まっているかも知れません
ちょっと脱線しましたが、本題へ。
伊勢神宮は全国の神社の総元締めなんだから、全国の神社が伊勢系の神社って、あたり前だろ!
って、思いますよね!
でも、神社の中には伊勢神宮(神宮司庁)に属さない単一神社というものがあるんです。
代表的なところでは、一昨年60年に1度の遷宮を実施した「出雲大社」です。
つまり、どこの神社に参拝しても伊勢に通じるという訳でもないんです。
じゃあ、明治神宮に参拝したら、東京で伊勢参りの目的は果たせるってこと?
あっそれ、ちょっと違うんですよ!
何が違うのか?
明治神宮の場合で、説明します。
明治神宮
あくまでも、明治神宮や熱田神宮、神田明神は「伊勢系の神社」
伊勢系ではあるものの、伊勢神宮の遥拝所として創建された神社ではないからです。
それに伊勢信仰の神社でもないため、祀られている神様も違うんですよ。
明治神宮は明治天皇、昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)。
神田明神は大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)と平将門(たいらのまさかど)。
熱田神宮は草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)。
結論、遥拝所と伊勢系神社って何が違うの!
遥拝所と伊勢系神社の違い
- 伊勢系の神社は「神社庁に属する神社」「皇室に関わる神社」
- 伊勢信仰の神社は「天照大御神を祭神とする神社」
- 伊勢神宮の遥拝所は「天照大御神を祭神とし、かつ伊勢神宮を遥かに拝する目的に創建された神社」
伊勢神宮までは遠かったり、なかなか時間がとれなくて参拝に行くことができない。
でも、少しでも日ごろの感謝を伝えたい!守って欲しいと思う。
だから、参拝しようと思う訳ですよね!
だったら、史実やきちんとした裏づけのできる遥拝所で参拝したい!
だれでも、そう思うと思います。
そんな人にオススメな伊勢神宮の遥拝所はズバリ!
明治天皇の命によって、天皇の祖神であり、国民の総氏神といわれる伊勢神宮 内宮の天照大御神(あまてらすおおみかみ)の御霊分け(みたまわけ)がされた由緒ある遥拝所。
※御霊分け=神様の魂を分けること。
天照大御神を祀る神社や遥拝所は多いですが、その中でも東京大神宮は色んな意味で別格。
この記事では「伊勢神宮の天照大御神を祀る神社は全国にある」
「伊勢系と遥拝所との違い」
について書いているので、東京大神宮が別格の理由は別記事で紹介しますね。
と、話がずれました。
まだまだ伊勢系の神社はあります。
日本だけじゃないんです!
ハワイ大神宮!
出雲大社のハワイ分詞は、さま~ずでおなじみですが、伊勢神宮にもハワイ分詞があったんですねー
ちなみに、伊勢系で分かりやすいのは、○○大神宮(だいじんぐう)
神明社(しんめいしゃ)
皇大神社(こうたいじんじゃ)
天祖神社(てんそじんじゃ)
これらは、ほとんど、伊勢神宮の内宮を総本社とする神社。
国内では北海道なら山上大神宮、姥神大神宮など
東北なら開成山大神宮、櫻岡大神宮など
近畿では元伊勢で知られる京都の皇大神社、天岩戸神社など
伊勢神宮までは遠くて、なかなか参拝に行けないという人は近くの伊勢系の神社や遥拝所に行ってみてはいかがでしょうか。