伊勢神宮の参拝方法と正しい参拝の慣わし

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伊勢神宮の大鳥居 伊勢神宮 参拝

コロナが落ち着いたらゆっくりと伊勢神宮を参拝しようと考えている人も少なくないと思います。

前回の式年遷宮(2013年)以降、お伊勢参りは外宮から内宮の順番、参拝方法(お参りの仕方)は二拝・二拍手・一拝など広く知られるようになりました。

こちらでは内宮や外宮の参拝にかかる所要時間や両宮での参拝ルートなど知っておきたいことなど、初めて伊勢神宮を参拝する人に向けて基本的な情報をお届けしています。

おさらいの意味も込めて正しい基本の参拝方法(参拝の仕方)やルールを実際に参拝した際の写真を添えてご紹介しています。

また最後に伊勢神宮の概要と歴史もまとめています。
事前に理解を深めて、楽しいお伊勢参りに出発ましょう!

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策と現状
「参拝時間」7月~8月、内宮・外宮・各別宮ともに5時~19時まで。9月、18時まで。
「御垣内参拝」は8時30分~16時30分の取り扱いで再開。
「ご祈祷」は8時30分~15時30分までの受付で再開も内宮・外宮ともに人数制限等あり。
「御朱印」の記帳を内宮・外宮・別宮ともに再開、ただし、一定以上の待機の列が発生した際は記帳中止、書置き対応になる場合あり。
「御殿内・待合所内」原則マスクを着用。
(2022年12月時点)
お知らせ|伊勢神宮
伊勢神宮の最新情報や、祭典・催しのお知らせ、神宮の博物館の展覧会情報などをお届けします。祭典・催しの予定に合わせてぜひご参拝ください。
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伊勢神宮 参拝方法

伊勢神宮の参拝は「外宮から内宮へ」という古くからの慣わしがあり、一般的に正しい回り方とされています。

これは参拝だけでなく神事などの祭事(行事)も外宮から内宮の順で行われています。
天皇陛下をはじめ、皇族の皆さまも外宮から内宮の順に参拝されます。

伊勢神宮の参拝

結 論

参拝方法

  • 二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)
  • 内宮も外宮も正宮を参拝後、第一別宮の順番が基本。
  • 時間があれば内宮の境内にある風日祈宮、少し離れた月讀宮。
    外宮では土宮、風宮にもお参り。

参拝時間
午前5時から季節ごと変動。

所要時間の目安
内宮/約1時間 外宮/約20分。

伊勢神宮に行く前に禊ぎのため二見輿玉神社または猿田彦神社に寄らなくても問題なく、参拝後に鬼門守護の金剛證寺に行かなくても大丈夫です。

では、もう少し詳しく重要な参拝ポイントなどを確認していきます。

伊勢神宮 内宮(皇大神宮)の参拝方法

内宮での参拝は、正宮からです。

伊勢神宮の参拝(皇大神宮・内宮)

正宮で神恩感謝の祈りを捧げます。

次に、第一別宮「荒祭宮」を参拝して請願の祈りをささげる。
この順序が古くからの慣わしで良いとされています。
個人的なお願い事は、荒祭宮にしましょう!

伊勢神宮 内宮の参拝時間
所要時間の目安は、正宮だけを参拝するのなら、30~40分ほど。
参拝順路の看板に従い、第一別宮「荒祭宮」への参拝もされるなら1時間程度。

伊勢神宮 参拝順路(内宮)
大鳥居 → 神域へ向かう入口
宇治橋 → 俗世と神域をつなぐ
神苑 → 神の庭
火除橋 → 防火のための橋
第一鳥居 → ここから神域
五十鈴川御手洗場 → 手と口を清める
※雨の日は手水舎で、手と口を清める
瀧祭宮 → 参拝のお取次ぎ
第二鳥居 → さらに深神域へ
正宮 → 外玉垣南御門前で参拝
荒祭宮 → 参拝
四至神 → 参拝

チェックポイント!

大鳥居 → ここで、一礼
神域に向かう正門というべき鳥居ですね。
宇治橋
俗世と神域を結ぶ、架け橋。
参道の中央は正中といい神様の通り道。
参拝者は、右端を歩きます。

参拝を終えて戻るときには宇治橋の守護神、饗土橋姫神社(あえどはしひめじんじゃ)のお札が納められた 擬宝珠(ぎぼし)をさすって帰りましょう。
※参拝を終えてから宇治橋を戻る際に進行方向右側の手すりに装飾されている玉ねぎのような擬宝珠の最後から2番目を触ると再び参拝に来ることができると言われています。

伊勢神宮の参拝(内宮・参道)

第一鳥居 → ここで、一礼
ここからが、本来の神域。
大鳥居からすでに神域ですが、これまでは神域に進むための準備の参道。

そのため、トイレもありました。
でも、ここからはありません。
心を穏やかに足を進めて下さい。

五十鈴川御手洗場
古くからの参拝方法になぞらえるなら五十鈴川の流水で手と口を清めましょう。

衛生面もありますので、手水舎で問題ないです。

内宮の五十鈴川御手洗場

瀧祭宮
天照大御神に参拝に訪れたことを取り付いてくださる神さま。
ここでは名前と住所を伝えます。
第二鳥居
鳥居をくぐるごとに穢れを払うとされます。さらに深い神域へ進むための門です。
正宮 → ここで、参拝
伊勢神宮のもっとも神聖で高貴な天照大御神の宮です。
正宮には、慈しみ深く穏やかな神格の天照大御神が祀られています。

一般の参拝は、外玉垣南御門前からです。
遷宮奉賛の特別参拝は、御垣内参拝でした。

個人的な願い事はNG、すべてのことへの感謝のお祈りをします。

荒祭宮 → ここで、参拝
正宮についで尊い、天照大御神の荒御魂の宮です。
「荒祭宮」には、格別に活動的で活発な神威(神様のパワー)をあらわした神格の天照大御神が祀られています。
IMG_6832-1

こちらでは、個人的なお願いごとをしても良いとされています。

四至神(みやのめぐりのかみ) → ここで、参拝
伊勢神宮の神域を守護する四至神(みやのめぐりのかみ)をお祀りする石畳の祭殿。
社殿も御垣などの囲いもなく、一見なんだろう?と思われてしまいますが、近年パワースポットとも言われ、手をかざす人も見受けられます。しかし、神さまの祭殿ですので正しくは二礼・二拍手・一礼です。

伊勢神宮 外宮(豊受大神宮)の参拝方法

外宮の参拝も、正宮からです。

伊勢神宮の参拝(豊受大神宮・外宮)

ここでも、内宮と同様に神恩感謝の祈りを捧げます。

次に、第一別宮「多賀宮」を参拝して請願の祈りをささげるのが、慣わしとなっています。
多賀宮は、個人的なお願い事もOK!

伊勢神宮外宮の参拝時間
所要時間の目安は、正宮だけの参拝であれば10分ほど。
第一別宮「多賀宮」など境内の別宮まで参拝した場合30分程度。
毎日行われる日別朝夕大御饌祭(神さまのお食事)の参列を見学するなら午前8時、午後15時。

伊勢神宮 参拝順路(外宮)
第一鳥居口御橋 → 火除橋
手水舎 → 手と口を清める
第一鳥居 → ここから神域
第二鳥居 → さらに深神域へ
正宮 → 外玉垣南御門前で参拝  

チェックポイント!

第一鳥居口御橋
防火のための火除橋であり、宇治橋と同じく俗世と神域を結ぶ橋。
水は穢れを流すとされていることから内宮では五十鈴川。
外宮では勾玉池にそそぐこの流水のうえを渡ることも大切なこと。

参道の中心は神様の通り道。
参拝者は、左端を歩きます。

手水舎
手と口を清めましょう。
第一鳥居 → ここで、一礼
ここからが、神域。
内宮同様これまでは神域に進むための準備の参道。

なのでトイレは第一鳥居の手前まで、ここからはありません。
心を穏やかに足を進めて下さい。

第二鳥居
鳥居をくぐるごとに身の穢が祓われます。さらに深い神域へ進むための神の門。

皇族の方が参拝される際は、ここで車を降りられてお祓いを受けます。

正宮 → ここで、参拝
豊受大御神の宮です。
正宮には、慈しみ深く穏やかな神格の豊受大御神が祀られています。
一般の参拝は、外玉垣南御門前からです。
多賀宮 → ここで、参拝
正宮についで尊い、豊受大御神の荒御魂の宮です。
「多賀宮」には、格別に活動的で活発な神威(神様のパワー)をあらわした神格の豊受大御神が祀られています。
IMG_6730-3

個人的なお願いごとをしても良いとされています。

参拝作法

伊勢神宮の参拝方法は、一般の神社と同じです。

二拝・二拍手・一拝

はじめに、2回の深い礼をしてから胸の高さで2回拍手をする。
※この時、両手を合わせてから右手を左手の中指の第二関節辺りまで下げてから拍手をします。

拍手はその音で邪気を払い、神前に来たことを知らせるチャイムです。

正宮では感謝、別宮では誓いのお祈りをします。

最後に深い礼を1回して、正面からやや端に移動して参道へもどります。

参拝のポイント!

伊勢神宮の内宮と外宮に共通する、参拝のポイントは3つ

正宮では個人的なお願い事はNG。
個人的な祈願は、別宮でする。
願い事ではなく、神様に誓う。

そして、参拝するときは、神様へ自己紹介からはじめましょう!

自分がどこの誰なのか、その後に正宮では「感謝」を伝える。

荒祭宮や多賀宮では「誓い」を伝える。

神頼みのお願をいするのではなく「こうします」「こうなります」と、宣言をする。

「誓いを立てる」お祈りの仕方が良いといわれています。

ワンポイント!
・参拝を終えたら、やや端に寄ってから参道へと戻る。
これは、神様にお尻を向けるのは不敬にあたるとされるためです。

・参拝時は、極端にポップなアクセサリーや露出が多い服装はさけましょう。
学校や会社に行ける程度のものならOK!
御垣内参拝に限っては、スーツを含めた正装をしていないと参拝できない。

・伊勢神宮では他の神社にある、賽銭箱、鈴、しめ縄、狛犬、おみくじはありません。

・あまりにお祈りに夢中になりすぎて、参拝時間を忘れないようにしてくださいね!
参拝時間は月によって違うので注意してください。

・内宮は参道の左側、外宮は参道の右側に神さまがいらっしゃる御正宮がある。
そのため、つつしみのあらわれとして内宮は右側通行、外宮は左側通行とされています。
五十鈴川、手水舎もそのように内宮は右、外宮は左にあります。

御垣内参拝(みかきうちさぱい)

一般的に正式参拝または特別参拝といわれます。
伊勢神宮参宮章

一般的な参拝は、外玉垣南御門前の白い幕の前から参拝をします。

内宮も外宮も正宮の構造は、外から順番に板垣、外玉垣、内玉垣、穂垣というもので囲まれていて、その中心に正殿があります。
簡単にいえば、中心に神様が座っています。

御垣内参拝では、神職のお祓いを受け、一般よりも正殿に近い位置からお参りできます。

もっとも近い位置が「内玉垣南御門外」次に「中重御鳥居際」「外玉垣南御門内」の順です。

両宮ともに神楽殿で申込みを受け付けています。
参拝料金は、正殿に近い位置ほど高くなります。

伊勢神宮 別宮の参拝方法

参拝作法は、二拝二拍手一拝
正宮と第一別宮を参拝してから時間に余裕があったら、その他の別宮にも参拝。

その他の別宮は、内宮:風日祈宮、月讀宮。
外宮:土宮、風宮を参拝するのが一般的です。

別宮について、特にどちらを先にという決め事はありません。
両宮の正宮と第一別宮は、内宮・外宮の参拝方法をチェックしてね!

伊勢神宮 内宮別宮

正宮と第一別宮の荒祭宮は「内宮の参拝方法」で書いています。
伊勢神宮の内宮’(月読宮)参拝

月読宮
月読宮は、内宮から約2Kmぐらいの場所にあります。
神域には、有名なイザナギ、イザナミの夫婦神をはじめ、4つの宮があります。

月読宮
伊勢神宮の内宮の神様、天照大御神の弟の月讀尊(つきよみのみこと)をお祀りしている。

月読荒御魂宮
月讀尊の荒御魂(あらみたま)という躍動的な神格を祀る。

伊佐奈岐宮
天照大御神と月讀尊の父神にあたる、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)をお祀りしている。

伊佐奈弥宮
同じく、母神の伊弉冉尊(いざなみのみこと)の宮です。

ご夫婦や若い女性に人気のようです。
夫婦神である、伊弉諾尊と伊弉冉尊が祀られていることから縁結びや恋愛成就のパワーをもらえるとか。
ハート型の切り株をみつけると、恋愛運があがるとも聞きますね。

滝原宮・瀧原竝宮
昔から伊勢神宮内宮の遙宮(とおのみや)とされています。

簡単にいえば、遠い場所から参拝する宮。
そのため、ご祭神は荒祭宮と同じです。
瀧原宮、瀧原竝宮は、ゼロ磁場ということで、パワースポットも有名なようですね。
紀勢本線の滝原駅から1.5Kmの場所にあります。

伊雑宮
近鉄志摩線上之郷駅から、約3分ほど。
遙宮(とおのみや)。遠い場所から伊勢神宮を参拝する宮。

ご祭神は、天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)

風日祈宮
内宮の神楽殿を背にして見えると、奥の方に向かう参道が見えます。
宮名が示すように、風雨の神様が祀られています。
古くは、風神社といっていました。
蒙古襲来の時に猛風を起こして敵軍を全滅させたとされ、その功績を称えて宮になったとのことです。
倭姫宮
倭姫命(やまとひめのみこと)伊勢神宮の最寄り駅、伊勢市駅・宇治山田駅から神都線バスで「徴古館前」で下りると表参道の鳥居が見えます。

ご祭神は、倭姫命。
伊勢神宮の祭事や、内宮へ奉納するお米を作るための田んぼ(神田:みた)などの場所を決定した神様。
他にも、さまざまな決まりごとを定めるなど、伊勢神宮の基礎を作ったとされています。

伊勢神宮 外宮別宮

正宮と第一別宮の多賀宮は「外宮の参拝方法」で紹介しています。
伊勢神宮の外宮(土宮)参拝

土宮
多賀宮に次ぎ古い宮といわれています。

ご祭神は、山田の原の地主の神の大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)

風宮
こちらも内宮別宮の風日祈宮同じく、級長津彦命(しなつひこのみこと)
級長戸辺命(しなとべのみこと)という神様が祀られています。
月夜見宮
内宮の別宮、月読宮と同じく

月読宮
天照大御神の弟の月讀尊(つきよみのみこと)をお祀りしている、

月読荒御魂宮
月讀尊の荒御魂(あらみたま)というか活動的な神格を祀る。

こちらには、この2宮だけです。
伊弉諾尊と伊弉冉尊はお祀りされていません。

手水の取り方

伊勢神宮の参拝(内宮の手水舎)

現在、新型コロナウイルス感染症対策として柄杓(ひしゃく)を撤去しています。
基本的な作法は変わりなく、ご神水で左手⇒右手の順に洗い清めたら左手に水をためて口を注ぎます。
最後に和紙や白いハンカチで手を拭くのが大人の所作ですね。

余談ですが、神宮御造営用材の残材で作られた柄杓が神宮会館で販売されています。

伊勢神宮御造営用材で作られた柄杓
価格 : 1,000円(税込)
送料:全国一律680円【北海道・沖縄は900円】
伊勢神宮崇敬会の会員でなくても、購入できますし通販も実施しています。
http://jingukaikan.shop/shopdetail/000000000222/

内宮の場合には、手水舎と五十鈴川お手洗場があります。
慣わしでは、五十鈴川の流水で身を清めるとあります。
多くの皆さんは、手水舎で口と手を清めて、さらに五十鈴川で手だけをとされるようです。
外宮は手水舎のみ。

①右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、手水舎の水を汲んで左手にかける。

②柄杓を左手に持ち替えて、右手にかける。

③次に右手に持ちかえて、左の手のひらで水を貯めて口をすすぎます。

④口をすすぎ終えたら、再度、水を左手に流し清めます。
※この時、柄杓に少し水を残しておきましょう!

⑤柄杓を右手に持ち左手を添え縦に立て、残った水で柄を流してから伏せて置きます。

ワンポイント!
清めた手は、白地のハンカチやタオルで拭くのが、ベスト!
一番良いのは和紙だそうです。
神様の前に行くため、穢れがない白無地というところが、大切なんだとか。

参拝時間

参拝時間は月によって異なります。
一年を通して、朝は5時から参拝ができるようになっています。

1月・2月・3月・4月・9月
午前5時~午後6時

5月・6月・7月・8月
午前5時~午後7時

10月・11月・12月
午前5時~午後5時

ワンポイント!
朔日参り
朔日参り(ついたちまいり)は、古くから伊勢に伝わる風習です。
毎月のはじまりの日、1日に伊勢神宮へ早朝参拝するというものです。

参拝時間は年間を通して、朝5時からのため出勤や通学前にお参りする光景を見かけ人もいるかも知れませんね。

伊勢神宮の参拝が外宮からの理由

伊勢神宮の豊受大神宮(外宮)

伊勢神宮の絶対的中心は内宮なのに、何故、外宮も内宮同様に特別に敬われ大切にされのか。

どうして、外宮から参拝するのか。

その理由は、3つあります。

実際の内容を書いてしまうと、漢文のようになるので要約します。

・伊勢神宮の重要な5つの教科書的な本と、参考書的な本に「外宮の豊受神宮から祭事をしてください」と、天照大御神がおっしゃったと記している。
これを外宮先祭(げぐうせんさい)といいます。

・同じく、伊勢神宮の重要な本や大切にされている本に、外宮の豊受大御神と天之御中主神を同一視する見解がある。

・豊受大御神は、天照大御神の姪にあたる神様という見解も有る。

これらの理由から伊勢神宮では外宮を内宮と同じように敬い大切にされています。

でも、2000年も昔のこと。

誰もそれを見聞きしている訳もなく、100%正しいと言えるものではありません。

3つのうち、2つは矛盾してしまうんです。

豊受大御神が天照大御神の姪とするなら、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)と同一にはならない。

驚いたことに、どうやら神職の皆さんの中でも、ズバリ正解!という答えはないようです。

そのため、多くの場合「外宮先祭(げぐうせんさい)」が、有力とされることが多いようです。

二見輿玉神社や猿田彦神社、金剛證寺へ行くのが正しい参拝?

一部のガイドブックやブログなどでは伊勢神宮へ向かう前に二見輿玉神社や猿田彦神社、さらに両宮参拝の最後に鬼門守護の朝熊山にある金剛證寺にお参りするのが、正しいと書いていますよね!

実際に、二見が浦で禊(身を清める)をする、浜参宮(はまさんぐう)という習慣が伊勢周辺にあって式年遷宮の行事でもあるお木曳、お白石持神事に参加する人は浜参宮を行っています。

金剛證寺もお寺でありながら天照大御神をお祀りしていたり、江戸時代にはお伊勢参りを終えた旅人で賑わっていたようですし、御本尊は日本三大虚空蔵菩薩のひとつに数えられる秘仏で20年に一度、伊勢神宮の式年遷宮の翌年にご開帳していたりします。

しかし、伊勢神宮の神職さんも内宮、外宮を参拝するのにあたって先に二見興玉神社にお参りしなければ、不正解で正しくない、不敬にあたるという訳けではないとおっしゃています。

御師の話が誤って拡散した結果

本来のお伊勢参り「伊勢神宮への参拝」のあり方は内宮・外宮を詣でて日々の感謝を伝えること。

二見輿玉神社や猿田彦神社を先に参拝するというのは、神領民である伊勢の皆さんが伊勢神宮を敬う心の現われ。

式年遷宮に関わるお白石持神事に関わる神領民(伊勢の領民)に根付く慣わしの話。

御師たちが伝えた
伊勢神宮のお札などを全国に売り歩く「御師(おし)」によって、この話が各地の村々に伝えられます。

するといつの頃から江戸や難波から訪れた民衆らが真似て二見浦の興玉神社に参拝し禊の海で身を清めてから伊勢神宮に参拝するようになります。

「禊ぎ(みそぎ)」をすることは良いことです。

そのため、お伊勢参りは「二見浦で禊をしてから」という話が「正しいお伊勢参りは二見浦で禊をしてから」と語られるようになりました。

金剛證寺(こんごうしょうじ)も同様
また、お伊勢参りのしめくくりに伊勢神宮の鬼門に位置する朝熊山に建立された臨済宗南禅寺派の寺院、勝峰山「金剛證寺(こんごうしょうじ)」にお参りしなけらば片参りという有名な「伊勢へ参らば朝熊を駆けよ、朝熊駆けねば片参り」も同様です。

でも、二見浦は夫婦岩など素敵な風景と縁結びで人気がある観光スポットです。

朝熊山も足湯につかりながら風景を眺められる朝熊山頂展望台や天空のポスト(恋人の聖地)などもあって人気の伊勢志摩観光コースのひとつです。

参拝される前に二見浦、参拝のあとは朝熊山を観光して、時間的に許されるなら伊勢志摩の美しい自然を味わうのも良いですね!

式年遷宮と、おかげ年の話し

古くから内宮と外宮の遷宮を終えた翌年から、おかげ年が始まり最後の別宮まで、すべての遷御の儀が執り行われた日からの1年間をもって「おかげ年」は幕を引くとされます。

この期間中に参拝すると伊勢神宮の神々から特別な恩恵を受けるとされています。

史実においても江戸の昔から遷宮の年からその翌年は特に多くの参拝者が訪れたとあります。

伊勢神宮ほどの大きな神域では、よみがえった神さまの力が再び神域の隅々に浸透するまでには数年がかかるとされ、遷宮を終えた3年目や5年目なども参拝者が増えるといいます。

2013年に伊勢神宮で厳かに行われた20年に一度の式年遷宮。
2015年3月には、外宮別宮の風宮の遷御も無事に終わりました。

日本人の心のふるさとと称される伊勢神宮だけあり、今もなお全国から多くの方が参拝に訪れ、土日にもなると内宮も外宮も賑わいます。

伊勢神宮の概要

伊勢神宮(内宮)

一般的に伊勢神宮と呼ばれています。

伊勢神宮、正しくは「神宮」です。
「内宮(ないくう」「外宮(げくう)」の2社を中心として、伊勢周辺に点在している神々の宮(別宮・摂社・末社など)を含む、125社の総称が「伊勢神宮」です。

実は、内宮、外宮という呼び方も通称。

正しくは、内宮:皇大神宮(こうたいじんぐう)
外宮:豊受大神宮(とようけだいじんぐう)

内宮のご祭神
天照大御神(あまてらすおおみかみ)
天皇のご祖神、日本人の総氏神とされる存在
神事における最上位の神号
天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)
外宮のご祭神
豊受大御神(とようけのおおみかみ)
御饌都神(みけつかみ)とも呼ばれ、天照大御神の食事を司っている。
衣食住を始め、あらゆる諸産業の守り神とされています。

内宮・外宮には天照大御神、豊受大御神の祀られている「正宮」と「別宮」といわれる宮があります。

別宮の中でも、内宮の荒祭宮・外宮の多賀宮は、第一別宮といわれ正宮に次いで、神格の高い宮とされます。

荒祭宮のご祭神
天照坐皇大御神荒御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)

多賀宮のご祭神
豊受大御神荒御魂。

正宮では個人的なお願いごとはNG
個人的なお願い事は、この第一別宮にすると良いとされています。

参拝は古くからの慣わしとして、外宮から内宮へ

何故、第一別宮の神格が高いのか。

ご祭神の漢字から予測できるかも知れませんが、内宮、外宮の正宮と第一別宮は、どちらも天照大御神、豊受大御神をお祀りしています。

どういうこと?ってなりますよね。

例えるなら「正宮を静」「第一別宮を動」

内宮の正宮には、慈しみ深く穏やかな神格の天照大御神が祀られている。
第一別宮「荒祭宮」には、格別に活動的で活発な神威をあらわした神格の天照大御神が祀られています。

外宮も同様に、正宮には穏やかな神格、第一別宮には活発な神格の豊受大御神が祀られています。

余談ですが、「荒御魂(あらみたま)」に対して、穏やかな姿は「和御魂(にぎみたま)」と呼ばれます。

伊勢神宮の歴史

伊勢神宮の両宮には、それぞれ歴史があります。

伊勢神宮 内宮(皇大神宮)

宇治橋のかかる五十鈴川の川上に垂仁天皇26年に鎮座され、およそ2000年もの歴史があります。

ご神体は、八咫鏡(やたのかがみ)。

八咫鏡(やたのかがみ)は、八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま) 草薙剣(くさなぎのつるぎ)とあわせて俗に三種の神器といわれていますね。

草薙剣(くさなぎのつるぎ)は、名古屋の熱田神宮のご神体とされています。

内宮(皇大神宮)は2016年に伊勢の地へご鎮座されてから2020年という節目の年。
この年、歴史的な出来事がありました。

G7首脳の伊勢神宮ご参拝

出典:G7伊勢志摩サミット公式ホームページ(https://g7.i-imageworks.jp/iw/summitphoto/SimpleMode/User/Main.do)

伊勢志摩サミット(第42回先進国首脳会議:5/25~26)後、日本国の首相のほかアメリカ大統領、イギリス首相、イタリア首相、カナダ首相、ドイツ連邦首相、フランス共和国大統領、欧州連合の委員長・議長など各国のトップリーダー9人が参拝をされました。

これは伊勢神宮の創建以来はじめての歴史的なできごととして刻まれることになるでしょう。

また、2017年6月20日には1988年から約29年もの歳月を天皇陛下に代わり伊勢神宮の祭主として祈りを捧げてこられた池田厚子さんが退任。

新たに今上天皇(平成天皇)の長女である黒田清子(くろださやこ)さんが就任され、伊勢神宮の新たな歩みがはじまりました。

伊勢神宮 外宮(豊受大神宮)

雄略天皇22年に鎮座されたとされています。

およそ1500年前に丹波の国から、内宮にほど近い山田の原へ、雄略(ゆうりゃく)天皇の御命においてお迎えされました。 

はじめに伊勢神宮の中心は内宮と外宮の2宮といいました。

それは伊勢神宮において重んじられる存在であるということを伝えるため。

内宮も外宮も正宮と呼ばれ、建物や祭事もほとんど変わりはありません。

しかし、伊勢神宮の絶対的な根本、中心は天照大御神であり皇大神宮(内宮)です。

伊勢神宮
皇大神宮(内宮) 三重県伊勢市宇治館町1
豊受大神宮(外宮) 三重県伊勢市豊川町279

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