橿原神宮 奈良
2月11日は建国記念の日。
この日、橿原神宮では紀元祭、伊勢神宮で建国記念祭が実施されます。
建国なら日本国民の総氏神、天照御大神(あまてらすおおみかみ)が祀られている伊勢神宮じゃないの?
そう思う人も少なくないと思います。
でも、実は建国記念の日は昔「紀元節」といわれていて伊勢神宮よりも、奈良県橿原市の橿原神宮(かしはらじんぐう)に参拝するのが神社通です!
今回は奈良県橿原市の橿原神宮の紀元祭、春の神武祭を中心にアクセス方法などもご紹介します。
では、さっそくどうして建国記念の日に参拝するなら橿原神宮なのか理由をチェックしていきます。
はじまりの奈良 橿原宮
奈良の橿原神宮は「神武天皇と皇后」をお祀りしています。
紀元前660年に現在の奈良県橿原市の「橿原の宮」(現在の橿原神宮)において初代天皇「神武天皇(じんむてんおう)」が即位されたとされています。
それら歴史的な背景から伊勢神宮よりも日本建国の地であり、初代天皇「神武天皇」が祀られている橿原神宮こそ建国記念の日に参拝するに適しています。
また橿原神宮ではご祭神である神武天皇が崩御された旧暦3月11日、現在の4月3日に神武天皇祭という大きな神事があります。
話を元に戻して、橿原神宮のご祭神「神武天皇」の神号(しんごう)は神日本磐余彦火火出見天皇(かむやまといわれひこほほでみのすめらみこと)
皇后は媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)
ちなみに神号とは神さまとしての名前です。
次に九州の高千穂から神武天皇を導いた八咫烏について簡単にチェックしておきましょう!
神武天皇と八咫烏(やたがらす)
八咫烏は神武天皇が九州の高千穂から熊野(現在の熊野本宮大社を含む熊野三山のあたり)を経て大和(現在の奈良県)まで東征した世にいう「神武東征」において熊野から大和、葛木山の地へ先導したとされています。
八咫烏は下鴨神社のご祭神、賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)の化身だとされています。
橿原神宮から車で約30分、直線で10~15kmほどの場所に八咫烏をご祭神とした八咫烏神社が現在でも存在しています。
こちらも八咫烏=賀茂建角身命
つまり、京都の下鴨神社のご祭神をお祀りしている。
八咫烏はサッカー日本代表のエンブレムにも採用されている三本足のカラス(黒鳥)です。
なぜ三本足のカラスなのに八咫烏なのか。
八咫とは大きいものという意があります。
漢字に着目すると尺の文字が見えます。
咫は古くは長さの単位で八咫→八尺の大きなカラスで八咫烏。
さらに追及すると八咫烏の八は「八紘」八方方位、全世界を網羅する「八」につながり、神武天皇を全世界を網羅する八咫烏が導いたともいえますね。
それを感じさせるものとして日本書紀の神武天皇即位前紀己未年三月丁卯条の「令」で八つの方位の果て、天地を結ぶ八つの網と訳し、全世界の意味だと読みとることができる文言が記されている。
つまり、古くは賀茂皇大神宮、賀茂皇大神と称された下鴨神社、その神さまの化身「八咫烏」が初代天皇を奈良の地に導いた。
このブログのテイストではこれ以上語ることは避けますが、天皇が即位し初めての新嘗祭にあたる大嘗祭の神事を仕切るのは京都の賀茂社(下鴨・上賀茂)の神職だといわれています。
賀茂社は賀茂一族の氏神、八咫烏はその神の化身、八は八方方位の果て全世界を網羅するもの、神武天皇を先導した八咫烏・・・。
おっと、口が滑りそうに。
では、本題に進みましょう。
橿原神宮には2つの大きなお祭りがあります。
紀元祭
神武天皇が即位した日とされている紀元前660年1月1日を現在の太陽暦(グレゴリオ暦)に換算した場合2月11日であったため1873年に建国の日「紀元節」と定められましたが、戦後GHQの意向で廃止。
しかし、国民からの要望により18年後の1966年に「建国記念の日」として国民の祝日になりました。
建国をしのび、国を愛する心を養う。
という意義が建国記念の日にはあります。
憲法記念日は「記念日」ですが、建国記念の日は「記念の日」としています。
統一した方が分かりやすいと思うのではないでしょう。
実は呼び方を区別している理由があります。
それは確実に2月11日に建国したと証言できる人が居なかったからです。
日本の建国は2600年前とされています。
しかし、当然ですが今のようにデータで保存されていませんから誰も確実に断言ができません。
まじめな有識者の先生たちの「不確かな状態で記念日とできない!」という意向もあり、「建国をしのび、国を愛する心を養う」ための休日として「記念の日」としています。
春の神武祭と神武天皇祭
4月17日(金曜) 10時~16時
4月18日(土曜) 10時~16時
4月19日(日曜) 10時~16時半
春の神武祭は奈良で桜が見ごろとなる4月に開催されるお祭りですが、2020年(令和2年)の冬は暖冬で桜のかかかも早く、神武祭は4月中旬過ぎですので満開の時期は過ぎているかも。
春の神武祭は外拝殿での3Dマッピングや参道のライトアップ、日中は古代衣装でのパレードやマーチングバンドなどが祭りを盛り上げます。
例年、有名アーティストによるトワイライトコンサートもおこなわれます。
この季節、奈良では桜が咲きます。
少し足を伸ばして吉野山の桜を見学しに行くのも良いですよね!
春の神武祭の期間中は参拝時間が延長されていますが、通常時は日の出から日の入りとしているため季節によって変わります。
では、次に参拝のできる時間と参拝方法をチェックしましょう。
参拝について
橿原神宮の参拝時間は日の出から日の入りまでとされています。
開門の時間
1月2日~2月末日 6時半
3月1日~4月20日 6時
4月21日~6月10日 5時半
6月11日~7月10日 5時
7月11日~9月10日 5時半
9月11日~11月20日 6時
11月21日~12月31日 6時半
閉門の時間
1月8日~1月31日 17時半
2月1日~4月30日 18時
5月1日~6月10日 18時半
6月11日~7月31日 19時
8月1日~9月10日 18時半
9月11日~10月10日 18時
10月11日~11月20日 17時半
11月21日~12月30日 17時
参拝方法
二礼・二拍手・一礼
橿原神宮の参拝方法は伊勢神宮と同じく二回お辞儀をした後に二回拍手をしてからお祈りをする。
そして最後に一回お辞儀をします。
これは伊勢神宮と同じですね。
伊勢神宮にも興味がある人は「伊勢神宮 参拝方法」をチェック!
アクセス
住所:奈良県橿原市久米町934
最寄り駅
近鉄 橿原神宮前駅から徒歩10分
大阪方面から
約1時間20分
大阪からJRで天王寺駅まで約20分、近鉄の阿倍野橋まで徒歩で移動。
阿部野橋から急行で約40分
名古屋方面から
約1時間30分
名古屋から特急に乗車、大和八木から近鉄橿原線で橿原神宮前駅まで。
京都方面から
約1時間
京都から近鉄の特急で乗り換えなし。
東京方面から
約3時間40分
東京から奈良県橿原市までは名古屋経由でもアクセスできますが新幹線で京都まで行き、京都から近鉄で橿原神宮前駅に向かうとシンプルで分かりやすいと思います。
●引用・参考文献
内閣府:国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
http://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
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